ナイルに死す
2013年5月24日5:13 公開
過去記事です。
少し前頃に、NHKBSでクリスティのドラマをやっていたので、ついつい手持ちの「ナイルに死す」「ABC殺人事件」なども観たりしてました。
特に「ナイルに死す」は原作も自分的ベスト5に入っている作品なので、飽きないですね♪
ドラマのキャストも良いです。
(ポアロ役のデビッド・スーシェさんは勿論、サイモン・ドイル役の人やリネット役の人も個人的にはイメージピッタリな感じv)
原作本手許にはないですが、内容は結構覚えてます。
ほぼドラマも原作に忠実ですよね~
ただ幾つか飛ばしちゃった場面とか台詞もありますけど、ほぼ満足です。
ただ一つ残念なのは、犯人が分かった後、犯人女性とポアロが話す場面があるのですが。
原作ではもっと、殺人動機、というか犯人達と被害者(=リネット)の関係の実情がさり気なく台詞で明かされるんですよね。。。
(ちょっとこれ以降犯人の名前書いちゃいますよ!ネタバレ御免状態ですので、未読の方はここでリターンしましょう♪)
私の記憶では。
ジャクリーンは、リネットがサイモンに秋波バリバリな時に、遊び好きで贅沢好き(というより安楽好き?)なサイモンの為に身を退こうと考えるんですよね。で実際サイモンにもそう提案する。
サイモンは、リネット自身は好みの女性じゃないということで嫌がりながらもお金に惹かれてハッキリ拒んでいない訳です。(まあ、分かるけどね~)だけど好きなのはジャクリーンなので別れたがらない。で、「リネットと結婚してすぐリネットが死ねば遺産が手に入ってその後ジャクリーンと結婚するのに」的なことを何の気なしに呟いて、これはもう、非常に簡単にリネットを殺そう!と決めてしまう訳です。
で、サイモンの性格も考え方も(軽率さも)完全に理解しているジャクリーンは、サイモンの、罪悪感など持たない殺意を覚ってしまう。
でもってサイモンは正直、ちょいアホな子で、(要は顔&身体だけ男な訳です^^;)異様に楽天的なので、リネットが不自然に死んでも自分が疑われる訳がない!なんて完全に思ってるってこともジャクリーンには分かっているので、もう……サイモンを放っておけないですよ。。。
ジャクリーンは人々曰く、「半分ラテンの血を引いている」ので情熱的な女性なんですが、同時に頭が良くて冷静な女性なんです。
だからサイモンへの「愛」の為に共犯者となって、というより主犯的立場で計画も立ててサイモンにリネット殺しを実行させるのです。
これはもうポアロをも唸らせる計画だったのよねぇ。。。(目撃者がいなければ、本当に完全犯罪で終わったかもしれない?)
しかも発覚した時は自分が犯人ということにしよう、なんてジャクリーンは考えて計画立ててたんですよ。
なんかもう、可哀想というか……何でサイモンなんぞに引っ掛かってしまったのか。でもジャクリーンの告白でその気持ちは抜き差しならないものだと分かる訳で。
この辺り、クリスティはミステリー作家というだけでなく人間性を描く作家として非常に優れている!などと烏滸がましいながら思ってしまう私です。
ジャクリーンの台詞、「人を殺すのって簡単なの。慣れてしまうのよ」という悲しさ、恐ろしさ。
そしてこの事実故に、殺人は許せないというポアロの考え及び作品のメッセージが鮮明に浮かび上がってくるのですよねぇ。
サイモンは最後迄(特に原作では)明るくて楽天的なのですが、ジャクリーンは全くその性格故に悲劇的な女性で、本当に可哀想です。
これ、「ホロー荘の殺人」(だったかな?)の彫刻家の女性にも感じたのですが、賢いけれど情熱的な女性の悲しさ、かなぁ。。。
あ、でも「ホロー荘の殺人」ではミッチーの方が好きですけど☆
もう一つの「ABC殺人事件」も好きですけど、こちらはヘイスティングスとワニ^^;のエピソードが一番気に入っております♪(原作ではどうだったかなぁ?)
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